大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 平成元年(ラ)113号 決定

抗告人

甲野太郎

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

1  本件抗告の趣旨と理由は別紙記載のとおりである。

2  当裁判所の判断

一件記録によれば、抗告人は主張にかかる債権の譲渡通知を執行裁判所に対してしたにとどまり供託所に対してしていない事実が認められるから、その債権譲渡を同一債権につき差押・転付命令を得た債権者に対抗できないといわなければならない。すると、抗告人の主張は失当である。

そのほか、一件記録を調べてみても、原決定を取り消すに足りる違法の点はみあたらない。

したがって、原決定は相当であって、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官今中道信 裁判官仲江利政 裁判官上野利隆)

別紙

抗告の趣旨

原裁判を取消す旨の裁判を求める。

抗告の理由

大阪地方裁判所平成元年(ル)第三三八号、平成元年(ヲ)第七〇五五号債権差押え及び転付命令につき、同裁判所が平成元年二月二三日になした債権差押え及び転付命令は、同年二月二八日に送達されたところ、対象となっている債権は、昭和六三年一二月二五日で譲渡しているので、上記債権差押え及び転付命令は違法であり、取消されるべきである。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例